犬はせつない

ちびきちがやってきてからすでに3年半。
いまでは、
いなかった頃がうまく思い出せないくらいに
あたりまえのようにここにいる。

ぼくが家にいる間は
どんなときにも離れない。
おもちゃをくわえてやってきて
ぼくの足元にポトリとおとす。
遊ぶのに疲れたら、
からだのどこかに頭をくっつけ
まあるくなって眠っている。
まあるく、やわらかで、ほっこりあたたかい。


▲ 起きたてのちびきち 「おはよう」

犬は人より時間がたつのが早い。

こうして一緒に遊んでいても、寝ていても
ちびきちの中に流れている時間は
ぼくの7倍も速く進んでいるのだ。


▲ 子供のころから眠くなると肉球をなめるクセが

やがて、いつしかぼくを追い越し
死んでいってしまうのだろうか。
わかっていたことだ。でも
ちびきちのあどけない目を見ていると
じわっと涙があふれそうになる。

人間の子供では感じることのないせつなさ。
子供は成長し、やがて親の背を超えていくが
親より先に死ぬことはほとんどない。


▲ めずらしいグレートイプー集団

犬なんて飼うもんじゃないと
いまでも、ときおり思うことがある。
人間の7倍で年老う犬の宿命を
どこかで拒んでいる自分は馬鹿だ。


狛犬?それともSP?

仕事から帰ると
いくぶん疲れたり、
気分がささくれていたりもするが
自分がきょうも帰ってきてくれたことを
ぴょんぴょん跳ねながら
全身で喜びを表すちびきちをみていると
なんだか気分も和らいで、つい表情がゆるくなる。
だから涙腺だってゆるくなるのだろう。

こんなふうにぼくは、その日に汚れたぶんを
ちびきちに浄化させてもらっているのだと思う。

飼い主たちにそれだけのことを施して
やがて飼い主たちよりも先に逝ってしまう犬たちに
なんだかやるせないほどに、せつなくなって

やっぱり目頭が熱くなるのだ。

11 件のコメント

  • 我が家は犬が来て、もうすぐまる10年。
    ちっちゃくてキャンキャンいってた日がほんの少し前のことのようです。
    家族中にやすらぎを与えてくれる犬との暮らしも
    折り返してしまったとせつなくなりますが、ゆったりと楽しんでいこうと思います。

  • 我が家の愛犬は12歳
    元は父親の愛犬でしたが 住宅事情からわたしのところへとやってきました
    5歳という成犬の盛りにやってきて 毎日仕事帰り
    「帰りがおそいー!」とどつかれ続けて早7年(苦笑)
    老いの兆しも見え始め いつまで一緒にいられるかと想い やがて来るその日を恐れ
    でもだからこそ今日も元気でいてくれることを喜び 感謝し

    …わたしも浄化されていますね

  • はじめまして!ゆうさんの所から飛んできました。
    私も実家で犬と一緒に15年間過ごしました。死んでしまってからは、人生を淡々とつまらなく過ごすことに疑問を持ち、都内で働き始めました。先日、やたら犬のことを思い出し、なんだろう??と思っていたのですが、亡くなってちょうど10年でした。
    今でも亡くなった犬の事が忘れられず、超引きずるオンナのごとく、もう彼意外の犬は飼うこともないだろう、と思っていたのですが、そうでもないのかもしれない、と思い始めています。だって、ヤキモチやかれそう、と思ったり。ちびたん、激烈カワイイです!毎日ちょっとずつ、労わって労われて、そんな日が多く続くといいですね。

  • はじめまして。いつも楽しく拝読しております。
    いつか訪れる別れを思うと涙腺が・・・共感です。
    うちの愛犬は4歳半、飼い始めた当初はわが子が死んでしまった夢ばかり見て、号泣しながら目が覚めるということがありました。
    今ではそんなこともなくなりましたが、
    この子は今、本当に幸せなんだろうかと不安に思うこともあります。
    でも、この子を幸せに出来るのは私しかいないのだと思い、出来ることをしてあげたいと思っています。
    親バカ炸裂ですけど、できるだけ長く一緒に時を過ごしたいですね。
    また、ちびきちクンの近況を教えてください。

  • 久しぶりにコメントを書かせてもらいます。私は一人暮しを始めたのをきっかけに、わんこを飼い始め2年半になります。途中、愛犬が骨折したり、異物を食べて夜中ずっと苦しんだり愛犬も私も、いろんな辛い時間がありましたが、今ではそんな時間を共に乗り越えてきたからこその絆が出来てるんじゃないかと勝手に思っています。愛犬が私の所へ来てくれた事を後悔せず、素敵な時間だったと思ってくれるよう、これからもず〜っと愛犬と会話し何物にも代えがたい時間を過ごしていきたいです。終わりを悲しむよりも、今を大切に、そして終わりも幸せいっぱいな時間になるように愛犬とのコミュニケーションを楽しんでいきたいです。

  • なおきんさんこんばんは!
    先ほどコメントの返信、音声で聞かせて
    頂きました。お忙しい所有難うございました♪

    家にも息子同然のボストンテリアとフレンチブルドッグ
    がいます。
    仕事から帰ってくると、人間で言うならば、宝くじに
    当ったかの様なテンションで毎日出迎えてくれます(笑)
    毎日毎日変わらず、あたりまえの様に。
    なおきんさん・・このあたりまえって凄い事ですよね。
    僕達人間はあたりまえの様に一つの事に気持ちを向けられる事ってあるのかな?なんて思います。
    息子たちの出迎えを毎日見るたびに人間らしさって
    なんだろう?俺、人間らしく生きてるのかな?
    なんてことさえ考えさせられます。

    いつかは先に旅立ってしまうさだめですが、一緒に
    いられる間、声にだしていっぱいいっぱい、
    ありがとう!!って言ってあげようと思います♪

    最後のイラストとても素敵ですね。
    とてもあたたかい気持ちになれました♪

    あと、勝手にリンク貼らせていただいちゃいました。なおきんさんすみません。

  • こんばんは。読んでたら涙が出てきてしまいました。うちにも柴犬とミニチュアピンシャーがいます。もう本当に家族同然です。いつかいなくなるのだと思うと、いつも悲しく、つらくなります。今、一緒にいる事を大切にしなきゃ、って思います。うちにきてくれて、ありがとうって気持ちです。

  • こんにちは。
    わたしもずっと猫を飼っていました。
    ちびきちくんとのいい時間をどうか
    大切に^-^
    絆が芽生えて、いつしかかけがえのない存在に。
    それは、きっと宝石みたいなものなんだな☆

  • なおきんです。いつもコメントをありがとうございます。今回のコメント返しは音声で、と思ってたんですが、なかなか編集の時間が取れずやむなくテキストとさせてもらいました。期待していた方、ごめんなさい。たぶん、かなり少数派だとは思うんですけど。
    ——————————-
    nokoさん、一番ゲット、おめでとさまです。
    そうですかー、もう10年になるんですね。でも子犬時代をほんの少し前のように感じられている様子に、ぼくも大いに共感します。これからも、一緒に過ごす時間を大事にしてくださいね。
    ——————————-
    エスレラさん、7年間のどつかれ生活、ご苦労様でございました。いやいや、これからもずっと、ですよね。でも帰りを待ってくれて、そして飼い主の存在に喜んでくれる愛犬につくづく感謝ですね。これからも愛情を注ぎ続けてくださいね。
    ——————————-
    わんわんさん、初コメント、ありがとさまです!
    10年前のこと、さぞお悔やみのことだったと思います。それにしても虫の知らせってあるんですね。きっと亡くなった愛犬がちょっと遊びに来たんだと思います。ここにいて、いまもここにいると。でもヤキモチは妬かないと思います。わんわんさんが元気かどうか、きっとそのことが気になるんだと思いますね。
    ——————————-
    つぶきちさん、初コメント、ありがとさまです!
    そうですね、考えないようにしていてもつい、別れのことを思って涙腺が緩んじゃいますよね。愛犬はつぶきちさんと一緒に暮らせて幸せだとおもいます。他の誰かじゃなくてよかった、と。これからも仲良くね。
    ——————————-
    ルナママさん、お久しぶりです。お元気ですか?
    >「終わりを悲しむよりも、今を大切に、そして終わりも幸せいっぱいな時間になるように愛犬とのコミュニケーションを楽しんでいきたいです」< いやもう、そのとおりですね。これからも辛いシーンはあると思うけど、愛犬の拠り所はルナママさんですからね。かわいがってあげてください。
    ——————————-
    DAIさん、>「宝くじに当ったかの様なテンションで毎日出迎えてくれます」< 情景を想像して思わず笑ってしまいました。それにしてもすごいですね。つくづく「当たり前のこと」が出来ていなかったり、愛おしかったりするもんですね。犬はごまかすことなく忠実に愛情を表現しているけど、人間ってどうなのか?たまにぼくも意識しては感謝しています。リンク、ありがとうございます。こちらも折を見てリンクさせていただきますね。
    ——————————-
    サニーさん、出会った以上別れがあるのは避けられませんね。とっても悲しいですけど。柴犬とミニチュアピンシャーを飼ってらっしゃるとのこと。きっとかわいいでしょうね。愛犬たちもこんなふうに愛情たっぷりいただいて、きっとサニーさん家にやってきて感謝していることと思います。
    ——————————-
    千香さん、宝石のような時間は絆と共にあります。ほんとおっしゃるとおりですね。ぼくの1時間はちびきちの7時間。そう思って出来るだけ一緒にいてやりたいですね。ちびきちの寝顔に、日々の疲れも吹き飛びます。

  • 大変ごぶさたしています。
    いつも読み逃げしてしまってすみません。
    5年前に六福邸で初めてお会いした時、「悲しい気持ち、薄れました?」となおきんさんが聞いてくださって、それがとても心に残りました。
    命日が近づくと悲しさや愛おしさがリアルに思い出されて、5年たっても愛犬に対する気持ちは全然変わっていないことを実感します。
    ちびきちくんへのなおきんさんの気持ち、とても共感できます。
    あと、2つめのイラストはグッときました。
    温かくて切なくて涙が出ます。
    なおきんさんのイラストの中で一番好きです。
    ちびきちくんを、思いっきり愛して愛して愛し抜いてあげてくださいね(もうとっくにそうされていると思いますけれど)。

  • Keiさん、おひさしぶりです!いやあ、こちらにコメントをいただいていたのをすっかり見落としてました。ばかばかぼくのばか。なんだか2枚めのイラストに愛着を持ってもらってすごくうれしいです。だって何度も書き直して、ほっこりあたたかい感じを表現したつもりなので。六幅でお会いしたとき、Keiさんへそんなことで声をかけていいものか、ちょっと逡巡しちゃってたので、心に残ったと聞いて今更のようにほっとしました。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。