アメリカ大統領選にむけて〜 American Idiot 〜

第45代米国大統領選

2016年7月、ドナルド・トランプの支持率がヒラリー・クリントンを初めて上回った。時期アメリカ大統領はいま、どちらか「よりダメじゃないか?」 という消去法で選ばれようとしている。

ある意味それは東京都知事選挙も同じかもしれない。こんなものに、前都知事の使い込み額よりはるかに高い50億円を浪費してやることかと思う。ぼくは都民ではないが、固定資産税を東京都に納めている身として、いまも合点がいかない。ともあれ、ぼくの関心はアメリカ大統領選のほうにある。

トランプ氏に感心するのは、大衆の機微をとらえ演説に反映するポピュリズムのうまさである。このところアメリカでは毎日のように発砲事件やテロ事件があり、元海兵隊員がテロに加わるなど、まるで映画のよう。トランプ氏は大衆の恐怖をエネルギーに転換し、それらを政敵や共通の敵に転向させたり、大衆の不満や願望を上手にとらえ、オマエらが欲しい言葉はこれだろうと差し出してみせる。

そんなトランプ氏に選挙演説を教えこんだのが、ロジャー・エイルズ氏そのひとである。FOXニュースを立ち上げ、ニクソンやレーガンら元大統領のメディアコンサルタントを務めた知る人ぞ知る人物である。
エイルズ氏は「レッドネック」と呼ばれる白人低学歴低所得者層をサイレントマジョリティーととらえ、彼らの声を代弁するようにすれば大衆心理をあやつれると考える。だからメディアを立ち上げたのか、メディアを運営しているうちに学んだのかはしらないが、いずれにしても大衆の心をつかむ機知を得ている。

トランプ氏の行動を見ていると、ニクソン元大統領とかぶるところがあるのも、このエイルズ氏の存在かもしれない。ニクソンも共和党員でありながら、ワシントンのインサイド情報を無視するなど「空気が読めない」人物であった。「民主主義が根付きさえすれば、世界は平和になる」など、現職のオバマ大統領や、いまの日本に気味悪く漂う空気のような考えはまったくもっていなかった。「世界はパワー・バランスの上に成り立っている」という、極めて実利的な考えに基づいて、ニクソンは行動した。だから反民主主義である中国共産党政府とも国交を回復したのだろう。

だがニクソンの時代はアメリカはパワー・バランスで優位にあった。いまはそうではない。中国とISISの存在に、アメリカは自らの存在価値を変えようとしている。オレたちだって弱ってんだから、よけいな負荷をかけないで身軽になろう。優先すべきは国内問題で、そこを強くしなくちゃならない。アメリカファーストだ、と。具体的にはNATOを見直し、ロシアと組み、NAFTAをやめ、日米安保を見直す。これらすべては、パワー・バランスを重視している証でもある。かつてのニクソンがしたように。

トランプ氏が米国第45代大統領になると世界はどうなるか? 日本政府はすでにその準備に大わらわ、庶民であるぼくたちも影響を受ける。以下は個人的な予想である。

  1. ドルが下がる(市場原理および政策的に)
  2. 円が上がり、金相場が高騰する
  3. 南シナ海は事実上中国の領土に
  4. TPPは反故にされ、ブロック経済が進行する
  5. 分裂しかかったEUは息を吹き返す(英国は離脱)
  6. 結成したばかりのAEU(ASEAN連合)は分裂する

 

物騒なことを言うな!
と怒られるかもしれない。だが、いくつかはトランプ大統領でなくても避けられないものもある。11月以降、とくに為替はどのみちドル安円高に触れる可能性が高い。日中軍事衝突は考えるだけで恐ろしいが、東アジア地域におけるパワーバランスの再調整上、避けられないかもしれない。

ここでいう「パワー」とは軍事に裏付けられた経済のことである。または軍事に裏付けられた外交のことである。平和主義者には申し訳ないけど、軍事に裏付けされない経済や外交など、署名のない証明書のようなものである。ASEAN諸国はこの影響で、反中派と親中派に分裂し、連合の意味を成さなくなる可能性が強い。ほんとうに残念なことだけど。それだけアメリカがパワーバランス重視型に依ることへの影響は無視できないのだ。

そっちがその気ならオレたちだって・・的な連鎖が起きる。

ニクソンは自動車産業など製造業の国際競争力が弱り始めたころ、すぐに変動相場制に移行し、全方面ドル安政策を始めた(ニクソン・ショック)という歴史的教訓がある。おそらくトランプもなにか仕掛けてくると思う。中国へさらに歩み寄るとか、なんとか。

世界が平和でありますように
という言葉が、いまはすごく虚しい。

自国は自国で守り、自分の身は自分で守る
そういう時代である。




1 個のコメント

  • こんばんは。
    ASEAN連合の分裂は、想像しただけで胃がシクシク痛んできました。
    今は胃薬を飲んで、そうならないことを願うばかりです。

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    なおきん

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。