むしろ4人の高齢者が1人の若者を支える時代

あるラジオ番組で

「中国人を見たら泥棒と思え」

などと不名誉なことを言われ、中国人ゲストが
「日本人が10人いたら4人は高齢者と思え!」
と言い返してて、おもしろかった。

まあ、思わなくたって4人は高齢者である。
2060年には、うち8人が高齢者になるという。

ということは、64歳以下は10人に2人しかいなくなるのがこれからの日本である。劇団ひとりが、いや、現役ひとりで高齢者4人を支えるなんてありえないだろうと思う。自分が生きるのが精一杯なのに、どうして家族でもない高齢者を4人も支えられるだろうか?しかも前の記事で書いた通り、日本では100歳になっても生きている人が半数以上いる。ぼくだって死んでいないかもしれない。働いてもいないだろうから、ただの「ごくつぶし」である。

どうするか? いい方法がある。

高齢者のラインを65歳から75歳にひきなおしちゃうのだ。高齢者は75歳を過ぎてから、というわけである。するとあら不思議、高齢者はふたたび、いまと同じ10人中4人ということになる。「じゃ、そういうことで」と、もちろん年金給付だって75歳より後になる。とつぜん身体検査をされ「あなたまだ働けそうだから、年金はもうちょっと待ってね」なんてこともあるかもしれない。引退なんてもってのほかである。というかシャレでなく、国の定めでそうなりそうである。

この頃、やたらと高齢者と行動を共にすることが多い。ある意味、日本の未来を見ているつもりだ。様々な集まりでは、これからどうやってお金を稼いでいこうか、どうしたら健康でいられるんだろうか、などそうしたことにとても関心が高い。近くにいるとそのことがひしひしと伝わってくる。おじさん同士で「肌ツヤがいいねえ」などと、讃えあっていたりする。もう長生きする気満々である。満々でなくたってするのだ、長生きを。

問題は若い人たちである。
これがもう、どんどん生命力を失っているように見える。電車の中でも、仕事のミーティング中も、食堂でご飯を食べている時も、見ていて心もとない。こんなセリフを吐くようになり、ぼくもすっかりおじさんの王道を行くようになった。今の元気な高齢者なんて、若い頃はもっとやんちゃでうざいほど元気だったに違いない。とすれば、ますます若い人が心配になってくる。世代間やんちゃ格差。そんな現役世代に支えてもらおうなんて、虫のいい話なのではないか。

むしろ高齢者4人が1人の若者を支えなくてはならないのではないか? そんな気がする。ニートがそうだし、過去一度も就職したことがない20代、30代も意外と多い。正規雇用、非正規雇用という言い方はあまり好きではないが、先輩から仕事と仕事人生を直接教わる機会がないのは、いささか残念なことである。若い人に自らの経験を伝え、育てる。他人でも子育てを手伝い、知識やノウハウを伝え、空いてる部屋をタダで貸す。持ち家をリバースモーゲージにして若い人に寄付する・・・

いっそ、年金は生後から65歳までもらえることにし、66歳からは払う側にしてはどうだろう?これなら、4人で1人を支えることになる。おちおち病気や老衰している場合じゃないから、さらに健康に留意する。元気いっぱいである。海外を旅していると、出くわす日本人のほとんどは高齢者である。団体だったりご夫婦だったり。おじさん2人旅だったり・・・海外をビジネスクラスで旅するお金があるなら、年金くらい払えるのではないか。どちらかといえば、現役世代の人たちの方が時間がなかったりお金がなかったり、それはもう大変そうである。

これからは4人の高齢者が1人の若者を支える時代。
これで社会問題は一気に解決である!

というわけにはいかないだろうか?

 

1 個のコメント

  • くすりと笑ってしまいながらも、
    ビートたけしさんのような奥深いジョークに、ウーン!と唸らされました。

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    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。