あいかわらず人身事故で電車が止まる。
状況が悪ければ、そのあと数時間くらい影響する。 朝のラッシュ時にこういうことが起きるとほんとうに困る。 車内でそうアナウンスされると、みんないっせいにメールをうち始める。 運良く駅に止まっていれば、電話をかけようとどっとホームにでる。 だけど、ほとんどの人は文句ひとつ言わない。 こういう光景も日本ならではだなあ、と思う。 中国やアメリカじゃこうはいかない。
「人がひとり死んだんだ、遅れるくらいなんだ」
などと、自殺者と自分の不幸を相対して考えちゃう人も多いんじゃないだろうか。 まったくご苦労さまである。 駅員にしたってなにも自分が悪いことをしたわけじゃないのに、世の不幸はすべて自分のせいであるかのように一生けんめいお詫びしている。 何万人もの小さな不幸を巻き込みながら、ひとつの悲しい死は、もはや朝の日常風景にすらなっているのだ。
日本の自殺者は12年連続で3万人を超えている。 日本だけで、1日90人も自殺しているのだ。 原因はさまざまあるのだろうけれど、それにしても数字がちっとも減らないのが気になる。 不況だとか、人が打たれ弱くなったとか、わりと簡単に言うけど事態はけっこう深刻なのかもしんない。
自殺の原因のひとつに「うつ病」があるが、これまた年々増加傾向にあるのだという。
うつ病といえば、セニトロンが減り、ドパーミンがの放出が減ることが直因。 ではなぜ減っちゃうのだろう? などとつらつら考えているうちに、ふと思い当たることがあった。
酸素不足だ。
人間は脳に酸素がゆきわたらなくなると、脳障害を起こす。
セニトロンの分泌も減る。 ゆえに、うつ病患者は増える。
ろくなことがない。
小学校のころ、空気中の酸素は20%で残りは窒素だと教わった。
それがいまじゃ地球平均で20%を切り、先進諸国だけだと15%もないといわれる。 都心部に限れば14%より低いかもしれない。 だとすれば十分危険領域ではないか。
そもそも人間の血中酸素濃度は16%のはず。 自然に考えれば、大気の酸素濃度が体内の必要酸素濃度に満たなければ、体内は常に酸素不足になるからだ。
都会にうつ病患者が多いのは、このためかもしれない。
小学生の教科書をひも解かなくても、酸素は植物の光合成によって作られることぐらいみんな知っている。 都会に酸素が少ないのは相対的に植物が少ないからだ。 若く成長している木々は、より多くの酸素を排出するものだ。 二酸化炭素と水に太陽光線が加わるとセルロースが生成され、幹が作られ酸素が副産物として産出される。 古い木よりも新しい木のほうが呼吸が多いから、産出される酸素も多い。
酸素を作られるためには二酸化酸素が必要だ。
地球温暖化の原因として二酸化炭素はとても肩身が狭そうだけど、結局のところCO2は温暖化とは関係ないことがわかってきた。
それより必要なのは酸素であり、緑化である。
目標は酸素濃度を20%に戻すこと、である。
満員電車の中で気持ち悪くなる人は少なくない。
あれはきっと酸素不足が頂点に達するからだろうと思う。 そんなときに人身事故のアナウンスが聞こえれば、誰もが当事者の気分になり、自殺者への同情がわきやすいのもわかる気がする。
より多くの酸素を必要とする「おっさん」の多い車両では特にそうだ。 そのことをOLさんたちの間では『おっさん過炭素中毒』と呼ばれているそうである。
そう呼ばれるとなんだか申し訳ない気がしてくるのだけど、とくに悪気はないので許してあげてください。
『おっさん過炭素中毒』の被害は、時間帯や路線によってもだいぶ違いがあるようです。 でも心なしか、さいきんのおじさんはこざっぱりしていて、中毒患者が減りつつあるように思うんですが、いかがでしょうか?
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