いくら日本人が清潔好きであっても、やっぱり
ドイツ人の掃除好き、片づけ上手には負けちゃうと思う。
かつて10年以上ドイツに暮らし、頻繁に家庭訪問させてもらったが
ドイツ人の住む家で、散らかっていたり、
汚れていたりしたのを見たことはついぞなかった。
例え小さな子供がいようと、ジャーマンシェパードがいようとも。
きっと、部屋にあるすべてのものが記憶素材で作られ、
ゴミを食べるバクテリアが放たれているんだろう。
そんなふうに思わずにいられない。
いっぽう、ドイツに住む日本人の家はたいてい散らかっていた。
住んでいるアパートは素晴らしいのに、家の中はそうでもなかった
あくまでもドイツ人の家と比べて、だけど。
そんなドイツ人だが、毎日風呂に入る人は意外と少ない。
ものすごい美人なのに「頭を洗うのは3日に1度よ」などという。
日本の美人さんならば朝と夜の2回、頭を洗っているに違いない。
いや美人でなくても、その辺のおっさんだってそうかもしんない。
ともかく両者のいう「清潔感」は、その定義からして距離がある。
ぼくはつねづね思うのだけど、日本人の清潔好きには、
なにかしら「清める」という概念があるような気がしている。
シャワーをするにも部屋を掃除するにも車を洗うにも、だ。
お払いをしたり盛り塩をしたり岩盤浴をしたり垢すりをしたり
とても人様に見せられない姿で大きな鼻くそがとれたり、
垢すりのおばちゃんから「ほらこんなにとれたよ」などいわれて
うれしいのは、きっと「清められた」ことへの達成感ですね。
世界に先んじ、あぶらとり紙やシャワートイレを世に出せたのも
きっと「お清め好き」の民族性ゆえに違いない。
また、どれだけ清められたかは
「とれた」汚れの大きさによって測られる。
「えー!こんなに汚れてたの!?」など驚きながら、
つい顔がほころんでしまうのは、
それだけ清められたのがうれしいからだ。
「デトックス」というコトバを
これだけ耳にするのも、日本くらいではないか。
ダイエットもカタチを変えた「お清め」なのかも。
昨今の仏像ブームや、若い人たちの仏閣参拝などは
「清め」に飢えた現代日本人を象徴しているのだ。
坂本龍馬の名セリフ
日本を洗濯致したく候
なんてのもきっとそう。
それにしてもいま日本を洗濯するとすれば
いったいだれが排毒されちゃうんだろう、ね。
△ ひざの上で寝ながらちびきちは、ときどき寝言で短く「わっ」とかいいます。かわいいです。イヌもやっぱり夢を見るんですね。
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