韓国哨戒艦「天安」の真相

世界が少しずつ変わりつつある。
これまでどれほどイスラエルが好戦的な態度をとってきても、米英に世論形成された西側諸国はこれを真っ向から非難してこなかった。 けれどもここ1年はどうどうと非難しはじめているようだ。 このたびのNPT(核拡散防止条約)最終文書などを読むと、見方によってはイスラエルがまるで「悪の枢軸」のような印象すら覚える。 これじゃ北朝鮮ではないか。

さて北朝鮮といえば、3月26日に韓国の大型哨戒艦を攻撃、撃沈した犯人とされ国際批判を浴びている。 根拠は沈没した「天安」を引き上げ調査したときにみつかった北朝鮮製の魚雷の破片。 北朝鮮は直ちに「われわれのやったことではない」と発表。これを理由に経済制裁などすれば、直ちに報復のための戦争も辞さないと物騒な声明をだした。 が、世間は「ま、いつものことだ」と聞く耳を持たない。

こんなふうに日本ではほとんど「北朝鮮の仕業」ということで片づけられているけど、ぼくにはどうにも疑わしい。 ほんとうは韓国と米国の合同軍事演習中に起こった、同士打ちだったんじゃないかと思う。 韓国軍にも知らせず秘密裏に行動していた米潜水艦(戦略上同盟国にもその存在を共有していないのだ)を識別反応がなかったことから北朝鮮のものとし攻撃、された潜水艦側も防戦の魚雷を放ったのだろう。 天安を沈めたのはそのうちの一発だ。

日本ではまったく報じられなかったが、実は「天安」が沈没した付近にもう一隻、しかも米国の潜水艦も撃沈されていたのだ。 あたりには米軍のヘリコプターが遺体を拾い上げ、韓国軍の潜水隊が活動していたが、これをKBSが嗅ぎつけスクープしたが、報道を禁止されてしまった(現在スクープは封鎖されWEBサイトは公開禁止となっている)。 韓国メディアの報道(翻訳)


▲ 米潜水艦沈没付近を捜索中の韓国潜水隊

そもそも北朝鮮がこの時期、韓国の軍艦を攻撃したところでなにもいいことはない。 おそらく、北京を電撃訪問した金正日も、温家宝に身の潔白を訴えたことだろうと思う。 ぼくはこのとき、とはいえ金政権に逆らう軍の暴走もあるのでは?と一瞬頭をよぎったが、そもそも旧式の北朝鮮の潜水艦が最新鋭の哨戒艦に魚雷を命中させるのは現実的にそうとう難しいと、考えなおした。

それにしても巧妙なのは米国の動きである。

同士打ちが報じられれば、米軍の信用はまたたく間に失墜したことだろう。 李明博政権になってようやく韓国は米国との関係が回復しつつあるが、韓国の軍艦が米軍に(誤爆であるにせよ)沈められたとあってはこれまでの努力が水の泡である。 この時期韓国世論が一気に反米に傾けば、相対的に米国の東アジアの覇権が失われる。 米軍産複合体にとっては一大事である。 商売上がったりである。

北朝鮮がやった」

そう報じさせることで、朝鮮半島に緊張が生まれ、日本を含め東アジアの軍備需要は高まる。 同時期、鳩山さんは指導力がなかったり思慮が足りなくてふらふらしていただけなのに、「朝鮮半島が戦争になりそうなので、鳩山は沖縄の米軍基地の県外移転は無理だとの判断に転じたようだ」という分析が米国ではなされた。 とんだ買いかぶりだけど、わざとそうさせたのかもしれない。

ロシアは米韓の発表に反を唱えるが、中国の出方は微妙だ。
おそらく中国政府はこれが米韓同士打ちであったことを知っている。 とはいえ、米国をいま非難して関係を悪くしたくない。 そこで「天安艦を沈没させたものが誰であれ、中国はその犯人を擁護しない」と絶妙なコメントを述べた。 北朝鮮がやったと決めつけていないのである。 しかし米マスコミはこれを「朝鮮半島の平和と安定を破壊する北朝鮮を許さない」と報じた。 日本もこれに習った。

2003年、核兵器など開発していなかったイラクを「している」と調査を偽造してまで、イラク戦争に踏み切った米国には前科がある。 当時はブッシュ、いまはオバマだからそんなことはない、などとぼくにはとても言えない。 だとすれば偽の北朝鮮製の魚雷の破片を示し、「ほらみろ北朝鮮の仕業だったのだ」という報道をまず韓国にさせたことに、いささか背筋が冷たくなるものがある。 これでは旧関東軍満州でやったことと変わらないではないか。


▲ こんなふうに予定調和的に開戦したイラク戦争でしたが・・【2003年】

いずれにしても歴史には浄化作用があるものだ。
今回の事件もやがて真相が明らかになるだろう。
そのとき、別の勢力が米国でイニシアチブをもったという証になるが、今回のイスラエルの一件には、そんな兆候がすでに見られるのだ。 これはこれで、なんだか薄気味悪いものだ。

明らかに国際力学は変わりつつあるが、
どちらの方向なのかぼくにはまだつかめないでいる。

長い記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。コメントはたいへんでしょうから、ポチッと応援クリックだけでじゅうぶんうれしいです。次回はやわらかめのテーマを予定しています。

人気ブログランキングへ人気ブログランキングへ
応援クリックのほど、おねがいします




5 件のコメント

  • 「国際力学」は「カネのある方」です、ズバリ。政治・軍
    事は後で取って付けたような物だと思います。カネを持っ
    ているから目を瞑る。カネを持っているから言うことを聞
    く。そのカネが何処に集まって、誰が感謝し誰がほくそえ
    んでいるのか。カネを持っていない勢力は、垂直尾翼の折
    れた飛行機の様にダッチロールしてしまいます。貧して鈍
    す、を地で行くわけです。「カネ持ち喧嘩せず」は「喧嘩
    する必要がないから」で、金がないとキーキー、金があれ
    ばゆったり、カネカネの世の中とは思いたくありません
    が、個人も会社も国家も、カネが無いと「すぐに目が吊り
    あがる」ってな現象は毎日の様に見聞きするものだな、と
    思います。

  • 沖縄の基地移転の時にこういうことが起こったので、あやしいなぁ〜とは思っていたんですよね。やっぱりこういうことだったんですね。相変わらずなアメリカに、もうウンザリです。
    韓国、アメリカ双方とも、こんなことで亡くなった方やその家族がかわいそうですね。国家に殺されると文句も言えませんものね。。。

  • テレビニュースだったか、webだったかは忘れましたが、一瞬、米軍潜水艦沈没のニュースを見たような気がします。でもその後、見なくなったんですよね。そのニュース。だから気にはなっていたのですよね。
    自国を有利に導くためには、ある程度の損害も辞さない動き・・・太平洋戦争の契機でもある真珠湾攻撃もそうだったのでしょうが、それぞれの国家戦略は当然あるにしても、完全に報道を操作して世論の考えを形成していくのは、やはり怖い動きですね。

  • 昔の同僚さん、一番ゲットおめでとさまです。
    たしかに「金のある方」が有利かもしれませんが、90年初頭の日本を思えば経済力だけでもないような気もします。でもまあ貧しい国ほど政情不安であることを思えば「金持ちケンカせず」というのはそのとおりなのかもしんないですね。
    ————————
    riesenmausさん、もし自国の潜水艦が沈み乗組員が全員死んだとしても、隠ぺいし続けられるアメリカにはぞっとしますが、潜水艦の乗組員というのはそういう責務を負っているともいえます。平和に過ごす市民には到底理解できませんけど。いっぽう韓国はやはり米国から見れば対等ではないのですね。 まあ日本もですが。
    ————————
    たまやんさん、はい、知ってます。共産党の党首が米国に訪問するなんて、なんというか、時代は変わりましたね。
    ————————
    mu_ne_2さん、この事件、気になっていたとはさすがです。 それにしても米国の情報統制の力はやはりすごいですね。 真珠湾も9.11もそうですが、最初の一撃を相手にさせて有利に戦争を始める手段は、相当年季が入ってます。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

    ABOUTこの記事をかいた人

    なおきん

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。