原爆投下を指示したトルーマン元米大統領は、
ぼくの「嫌いな歴史的人物ベスト10」入りだが、
米国では「好きな歴代大統領ベスト10」の常連だという。
在任中はむしろ不人気だったが、
後にぐんぐん人気が上昇したということだ。
理解できなくもない。大統領が替わるたびに
「いまの大統領よりはマシ」となったのかもしんない。
嫌いな男であるけれど、学ぶべきところもある。
彼の執務デスクには木製のプレートが置かれ
そこには “The BUCK STOPS here!” と書かれていた。
直訳すれば(責任はここで止まる!)だが、
意訳すれば「責任はわたしが取る!」ということだ。
次々と難題が上がり、
その都度大きな決裁や決断をせねばならない国のトップ。
ひるむ心を奮い立たせようとしたのだろうか、
「!」の部分にそんな意志が感じられる。
自分の決めた事にはもう、後がない
という戒めもあったのだろう。
国のトップならなおさらである。
しかも就任当時はまだ第二次世界大戦のさなか。
対日戦争は大詰めに入っていた時期である。
リーダーたるもの、責任逃れは最も卑劣な行為だ。
英語で言えば “pass the buck to others” だろうか。
トルーマンはそれだけはするまいと誓ったのだろう。
プレートにして公務机の上にでも置いておけば、
いやがおうなく他者にも見られることになる。
責任逃れしようものなら
「そのプレートが泣きますよ」
と言われること必至だ。
それを見越しての意思表明だったのだろう。
トルーマン元米大統領。
どんな理由があるにせよ
原爆投下の指示は絶対許さない。
だけど、彼のそういう姿勢は素直に学びたい。
どこかの首相にも学んで欲しいが。
いきなり辞めさせられちゃうのかよ!
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