肉筆萌え

「どんなタイプの女の子が好き?」
など聞かれることはもはやない。
そういうものである。
恋愛適齢期なんかもうとうに過ぎた。

それでも、いつか聞かれた時に答えようと考えてみる。だが、この年くらいになると、ルックスとか性格すらもどうでも良くなる。「だれでもいいです」というのが関の山。

あらためて思う。聞かれなくなったというよりは、もう答えられなくなったのだ。タイプとかそういうのより、「いまの喋り方」とか「しぐさ」とか「視線」などといった切り取られた瞬間にグッと来る。その繰り返しや積み重ねがあって、ある日誰かを好きになったりするのだろう、そんな気がする。

刹那という言葉が好きだ。
人の生きざまの儚さが愛しい。

さいきん自分は肉筆に萌えることに気づいた。
パソコン文字の反動なのかもしれないけれど、人の手によって書かれた文字には意味以上のものが詰まっている気がする。そこにはちゃんと脳や心の震えのようなものもある。
手紙のようにかしこまって書かれたものより、あまり意識されないまま書かれた文字がいい。

変態だろうか?と自分で思う。
まあ変態なのかもしれない。

パソコンに向かってキーを叩く姿にはなにも感じないが、ノートにペンを走らせるしぐさはセクシーだ。とすら思う。インテリジェンスを感じさせる。いつのころからか、そんなふうに思うようになった。

てなわけで
ぼくのタイプの女の子は「ペンで文字を書くひと」ということにしました。だれが書いても「MSゴシック」な文章ばかりでは不感症になってしまいそうなので。

9 件のコメント

  • 以前、親戚で集まったときうちの祖父が「わしゃーばーさんの字が好きなんよ」と言っていて、もうステキすぎる!と感激したのを思い出しました。そうか、じーちゃんはばーちゃんの肉筆萌えだったんだ!・・・あれ、そういうことじゃないか。でも私も祖母の字は大好きなんです。全く飾り気がなくて地味なんだけど、心からまっすぐ出てきてるような。大地の香りがするような。
    最近自分の字がごっつくなったなーと思っていたら、会社で「あいつはおっさんや」と言われていることが判明。確かに字には人が出るみたいですね・・・。

  • なおきんさんこんにちは。
    最近人前でペンを走らせることがめっきり減りましたが、
    時々書かざるを得ない時、なにか自分の裸を見られているような恥ずかしい気持ちがわきあがります。不思議です。

  • 職場で時折、伝言メモを手書きで書いてくれたりするのですが、その字が読みやすかったり綺麗だったりすると、ドキッとするというか、惚れ惚れしちゃったりします。
    他社の人からの郵便に一言メモが添えられていて、その字が綺麗だったりしても、ドキッとしたりします。勝手にその人を想像しちゃったりして・・・。
    ということは僕も字がきれいな人に惚れるのかもしれません。僕もペン字、筆字とも練習を今からでも練習しようと思います・・・常に思っているような気がしますが(汗)

  • 字が得意でないんですよ~。
    でも、自分フォントがあったら、もうちょっと字を書くことが楽しめるかも♪

    絵手紙の世界では“下手でいい、下手がいい”とか。

    うちの上司は「ワシの顔と字を誉める奴は信用できん」と言っております。

  • 肉質萌え じゃなくて 肉筆萌え
    なだけ変態要素が少ないと思って喜びましょう(笑)
    私は取り敢えず
    自分へ向けてのメッセージなら
    なんでも嬉しいと思っちゃいます。
    なおきんさんはきっと
    PCと睨めっこし過ぎなんですよ。
    自分はアナログなんで、ポストイットが
    家中のあちこちに貼り付けてあって、
    まるで痴呆の人向け住宅みたいになってます。

  • PCもプリンタもフル稼働なのに、水性ボールペンの芯を十日に一度替える部署にいます。
    肉筆って、その日の精神状態が如実に現れるんですよね。
    それを読む相手への感情が、プラスなのかマイナスなものなのかまで(笑)
    自分フォント、ほしいです♪

  • いつもはパソコンで人が書かれた文字をトレースしています
    そんな私が
    久しぶりに 筆を持って
    100名分のお名前を自筆で書く機会を頂きました
    やっぱり、手書きっていいな〜
    って思います。
    毛筆楽しいです。
    肉筆萌えしてくださる方が存在するなら
    また書道をはじめようかな(笑)

  • この人、こういう文字を書くのね、意外!とか、さまざまな思いが巡ります。誰かの書いた文字ををみると。

    自分をどう見せたいか?コントロールできるようになると、文字は変わるし変えられる。

    そんなふうに感じます。

  • どらみっちょさん、一番げっとおめでとさまです!
    カッコイイお祖父様ですね!そんな風に、むかしは文字に惚れて結婚したカップルも多かったんじゃないかと思ってしまいます。いまじゃさしずめメールの絵文字?いやあ、そこにチャームポイントはなさそうです。自文字の変化はたしかにありますね。おっさんって!
    ———————-
    gioさん、
    ああ、そうかもしれませんね。だから女の子が字を書いている姿に欲情(とまではいかないけど)しちゃうのかもしんないですね。うふふ。
    ———————-
    mu_nw_2さん、
    そうそう!小さな紙片に萌えるってありますね。女性からだと、特別な思いとかがこめられちゃってるのかな?などとしなくていい期待やドキドキをしてしまうことも。逆に相手に萌えさせるよう練習ですね。
    ———————-
    faithiaさん、
    なかなか粋な上司さんですね。まあ、文字は下手なら下手なりに味があるとも言いますが、やはりあまり下手すぎると、そんなことはなくてもオツムの弱い人のような誤解を受けてしまうのがつらいですね。かわいいとは思うけど。
    ———————-
    トロさん、
    以前ほどではないけど、やはりパソコンに向かっている時間は長いですね。ちょっと気をつけないとやばいかもです。時間を決め、目をケアし、ことをしのいでいます。紙の良さをしみじみ感じる毎日です。
    ———————-
    市井みさとさん、
    10日でボールペンのインク部分を替えているなんて、相当文字を書いているようですね。文字からその人の感情がそこまで表せるから、同じことが書いてあっても肉筆の方が伝わりやすいのでしょうね。
    ———————-
    ねねさん、
    100名分の名前を自筆で書く機会なんて、もうそんなにないですよね。それはそれは。しかも毛筆。かつては年末の年賀状かきがそうでしたが、今はプリンターですからね。きっときれいな字をお書きになるんでしょうね。
    ———————-
    はてなさん、
    字は人を表す、というのはほんとうですよね。レターのやりとりにきゅんとしたことも、かつてはありました。

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    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。