ぶらりキエフ

ウクライナの首都、キエフ
地元の人はそれぞれ、ユクライナ、キーフと呼ぶ。かつてソビエト連邦があったころは15あった共和国のひとつ。歴史を辿ってみれば、実に多くの受難の時代がある。11世紀の頃は神聖ローマ帝国やフランスといったヨーロッパの大国のひとつ。その後リトアニアに支配され、ポーランドに支配された。やがて分家だったはずのモスクワ公国に支配されロシア領の一部になり、あるいはオーストリア・ハンガリー帝国に領土を分割された。

ウクライナといえば『ヨーロッパのパンかご』といわれるほどの大穀倉地帯。ロシア革命直前まで、ロシア全土の輸出小麦の98%、トウモロコシの84%、ライ麦の74%はウクライナ産のものだったといわれる。ロシア産の食物は世界中の人々の胃を満たしていたし、ロシアは食料輸出で大儲けしていた。だのに革命が起きると、農業政策の失敗でウクライナ全土は飢饉に襲われ100万人が亡くなり、スターリンの時代は500万人(800万人とも)ものウクライナ人が飢えで亡くなった。肥沃な大地であるはずのウクライナでなぜ? 人災とはかくも恐ろしいものだと思う。中国の文化大革命や大躍進もそうだけれど、共産社会主義はまるで殺人工場である。

第二次大戦が始まればソ連兵として戦い、ドイツ軍を解放軍とみた者はドイツ軍として戦った。つまりウクライナ人同士で戦闘したのである。こうして全土で600万人が戦争で亡くなっていった。

ウクライナがようやく独立を果たしたのはソビエト連邦が崩壊した1991年のことである。制度疲労を起こしていた社会主義にとどめを刺したのが、あのチェルノブイリ原発事故であった。そのチェルノブイリキエフから100kmきたへ位置するウクライナ領土であった。つまり放射能で汚染された大地ごとウクライナは独立したのである。

そんなウクライナになぜやってきたのか?
それはおいおい語るとして、地図もろくに持たずキエフの街を、気の向くまま足の向くまま、ぶらぶらと歩いてみた。途中、メトロに乗ったり市電に乗った。タクシーを拾い、ミニバスを拾う。疲れたらカフェに寄ったり、木陰のベンチに座ってアイスクリームを食べた。

そのようにして一日半歩いて、あらためて思うのは、キエフは本当にきれいな街だということだ。迷うたびに地元の人に道を訊いたが、誰一人としていやな顔一つせず、ていねいに教えてくれた。


▲ 黄金の門。残念ながら月曜日は休館で中を見ることはできなかった。


シェフチェンコ記念国立オペラ・バレイ劇場。数々のバレエが公演されていた。


ソビエト時代の建物


▲ ソフィア大聖堂敷地内にいた楽器を演奏するオジサン。暇な観光客にからまれてちょっと大変そうだった


キエフ最古の1037年に建てられたソフィア大聖堂


▲ 通りに面した公園に経っていたハリネズミの像。地元の人がかわりばんこに写真を撮っていた。何で有名なんだろうか?


▲ 屋根支えてたいへんだなおまえも。そういうおまえもたいへんだな。


▲ アーティストの匂い漂うボティール地区の一角にあった絵画のバザール。通り一面にかけられていた。


▲ 鳥が頭の上で羽を休めてました。と思ったら鳩も作り物でした。


▲ まるで宝石箱のような聖アンドレイ教会


▲ 聖アンドレイ教会付近のボティール地区は、どの建物もさりげなく美しい。


▲ 名前を聞きそこなった教会。屋根はあいかわらず金ぴかである。


ウクライナでは普通のコーヒーを「アメリカーノ」というが、もちろん日本のアメリカンのようにうすくなく、しっかりとした味わい。ここのカフェはとても美味しかった。いちごパフェもいただきました。


▲ そのカフェで見かけた老婦人は、まるで印象画のようないずまいでメニューを眺めていました。


▲ いっしょになって考えてました。


ドニエプル川沿いにあるペチェールスカ大修道院


▲ 高さ96mの大鐘櫻。ここに登ってドニエプル川をバックに金色の屋根など大パノラマを堪能したかったのにあいにく工事中。


▲ 土産物のお姉さんも快く色々と教えてくれました。


▲ 中庭の噴水。こういう木漏れ日の穏やかな佇まいがたまらなく好き


▲ 大修道院の全貌


▲ ここから見るアングルがなんだか物語を聞かされているように叙情的。


ドニエプル川を望む


▲ 教会の中のこれまた絵画のような掃除のおばさんたち


▲ 見事な教会内部。イコンがたっぷり飾られてました。ちなみに敷地内の撮影には別途1200円かかる。高い。撮影しているとチケットを拝見させられるのだ。


▲ 青い空、金色の屋根、白い壁。その見事なコントラストにくらくらする。


▲ 美しいバラには刺がある。


▲ ミニバスの運転席のそばには料金箱が。どこまで乗っても24円均一。


▲ ミニバスの中で自分撮り。なんだか疲れた顔してるね。


▲ ボティール地区の一角にあった噴水。歩き疲れた足をここで休ますことにした。


▲ ホテルの部屋からながめる独立広場に落ちる夕陽

早朝、キエフを発つことにした。
ということで、旅はまだ続く。

おまけ 『ジオラマ風ソフィア大聖堂』
ソフィア大聖堂の施設内には、ジオラマ模型が展示されていて、なんだかとってもキッチュでかわいらしいです。人形もとてもリアルでちゃんと服まで着ているからすごいですね。

たぶんわかる人にはわかったと思うのですが、写真はぜんぶ実物です。ちょこっとミニチュア風に撮影してみただけです。大聖堂の屋根の色が実にポップで、まさにミニチュア撮影にピッタリの題材でした。敷地内の木々も青々としておもちゃのようですね。冗談かましてすみませんでした。




4 件のコメント

  • わ〜〜♪ホント、きれいな街ですね!
    私も行ってみたくなりました!
    そういえば、私が初めて見たなおきんさんのブログは、ロシアの旅の様子でした。。。あの時の印象そのまま、かっこいい旅人ですね。スナフキンみたい。^^
    そして、
    ウクライナって、美人が多くて有名なんですよね^^
    楽しい旅を!

  • なおきんさんは、いつも切り取り方が巧みですね。
    ピンクの帽子を被った老婦人の一枚は、奥ゆきと深みのある色合いで
    本当に絵画のようです。見とれてしまいました。
    たくさんのイコンが飾られた教会の内部とか、街角のカフェとか、
    今回の旅も、まるでわたしもお供をしているように感じられます。
    その場にいて、空気や光や匂いを感じています。
    人々の声が遠くに聞こえるようです。
    ステキな写真をありがとうございます。
    残りの旅も楽しんでください。

  • 今回の旅がウクライナだと知らされたときから実はひそかにず〜っと楽しみにしていたんです。
    それは私の大好きな映画ひまわりの舞台だから。
    でも想像以上にステキ!!
    教会、オペラ、バレエ、絵画、彫刻、ストリートミュージシャン、美しい緑、花、おしゃれなカフェ、
    私もそういう環境にどっぷり浸かりたい、いいなあ。
    そして、私もいくつになってもピンクの服が似合う
    女性でいたいです(想像しなくていいです、笑われそう)。
    今回の写真は大画面じゃないのかな?
    次はどんな写真が登場するのか楽しみです。
    でも、睡眠と水分は十分にとって
    体調に気をつけてくださいね〜。

  • sachikoさん、一番ゲットおめでとさまです!
    ロシア旅行をしたのはたしか2010年だったと思います。St.ペテルブルグで予約したホテルが見つからなくて焦りました。旅って苦労がある方が良く覚えているもんですよね。
    ——————————-
    ユーリさん、
    あの初老の女性の印象は今もくっきり脳裏に浮かびます。つれのご友人もいたのですが、こちらもとってもステキでした。総じてキエフの街中は文化と気品が感じられましたが、住人一人ひとりの所作によるところが大きいですね。
    ——————————-
    risaさん、
    そう、もうおっしゃるとおりです。どっぷり浸かれます。ただぼんやり歩き、ときおり町の人に話しかけるだけで。大画面写真はこの後の記事から対応しました。そのうち、こちらも大画面写真にリンクするよう差し替えようと思います。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

    ABOUTこの記事をかいた人

    なおきん

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。