ドイツのマクドナルドに初めて入ったのは1984年のこと。30年近く前になるが「まるで保育園のようだった」と当時の日記にある(つけてたのかよ!)。メニューは特に日本と違わないし、セットメニューなども相変わらずなのだけど、店内には子供の遊びスペースがあり、無料でプレゼントされるおもちゃがたっぷり用意されていた。当然のことのように店内では子供の姿が目立ち、店員はオバちゃんばかりが目立つ。
一緒にいたドイツ人に「おもちゃをあんなにあげて、損しないのかな?」と問えば、「これがマクドナルドの戦略さ」とあたりまえのように言う。「マクドナルド漬けにし、将来にわたって通い続けるようにするのさ」ドイツなど欧米ではレストランに子供を連れて入れない。それを逆手に使ったうまい商売である。
共産主義革命で殺された人々は想像以上に多い。中国や北朝鮮、東欧、カンボジアでみられたのは、親を密告する子供たちであった。疑うことを知らない子供たちにあるコトないコトをすり込み、悪い大人たちは罰せられて当然だと教えれば、子どもたちは楽しみながらそれを実行してみせる。親を密告した子供を褒めれば、別の子供もそれにならう。歴史教育もそんなふうに行なわれた。いっぽうで、日本人に良いことをされた記憶を持つ大人たちを親日派として断罪していった。通りに引きずり出され、陵辱され、市中引き回しのうえ殺された。殺されずとも社会的に抹殺された。あんなふうにされてはたまらないと、人々は沈黙し、あるいは嘘をついて災禍が及ばないようにした。中国大陸で、朝鮮半島で、台湾で、そして日本で。
「戦争を知らない子供たち」が日本で大流行していたころ、戦前の日本人を悪く言うとカッコ良かった。フォークやロックとの相性も良かった。日本がいかに悪く、共産主義がいかに優れているかを論ずれば知的にも見えた。心がキレイにも見えた。反省すべきだ!と叫ぶ人は、あんがい自分の反省をしないものだが、そんなアバタもえくぼに見せるところがメディアのうまいところだ。
戦争が終わってぼくらは生まれた。
そんな子どもたちを待っていたのは、GHQが検閲し強制した教育基本法だった。近隣諸国条例などもあり、米国、中国、朝鮮に都合の悪いことを書くことが禁じられ、総じて「日本人に愛国心を持たせないよう」工夫された。しかも修正部分がわからないようにした。日本を恐れるあまり、今後自分たちに歯向かったりしないよう、配慮がなされた。日本に正当性はなかったものとされ、そのことで誇りを奪いもした。GHQはやがて去り、日本はもうそんなことをする必要がなくなった。お仕着せがましいマッカーサー憲法も日本国民で変えればよかった。がそうはいかなかった。GHQは後見人としていろんな置き土産を残していった。日教組もそのひとつ。教科書がもとに戻ったりしないよう検閲を続け、戦後教育の妨げにならないよう見張り、まともな教科書が作られたり、これを採用しようとする学校を力づくで排除していった。
▲ 「日本が悪く言い。中国、朝鮮の人たちは悪くない」と書くと、二重丸がついた
だが時は流れる。
無理にねじまげられたものはしだいにもとに戻ろうとする。世の中的にもそんな傾向が見られ始めた1982年、とつぜんその事件は起こった。
当時の文部省が高校の歴史教科書内の記述『華北へ侵略』を『華北に進出』に書き改めさせた」と、6月26日に新聞・テレビで一斉に報じられたのだ。一斉、である。しかも、あとでそんな事実はなかったにもかかわらずである。不思議だったのは、申し合わせたように中国から猛烈な抗議が日本政府に殺到したことだ。中国の猛抗議に肝をつぶした日本政府は「政府の責任において教科書を是正する」と発表してしまった。ときの官房長官、宮澤である。
日本のマスコミによる「教科書誤報事件」。
中国は「抗議すれば日本の教科書を変えさせることができる」という味をしめた。韓国もこれに便乗した。以来日本では、教科書が改定されるたびに、まるで中国や韓国に校閲してもらうような習慣がつく。だが今にして思えば、そう仕組まれていたような気にもなる。あれ以来、この教科書はどこの国のものだろう?と思われるような記述が増えていったからだ。
▲ 朝日新聞1982年6月26日朝刊トップ一面記事での報道
自虐史観に基づいたといわれる日本の歴史教科書。南京大虐殺もあれば従軍慰安婦も載っている。いっぽうで、尖閣や竹島は日本の領土だとはっきり記述されていない。以上のような検閲を通しているから仕方ないのだが、これを逆手に中国や韓国は「当の日本人だってそう教えられてるんだから」と、反日教育に信ぴょう性と彩りをそえることを忘れない。
子供の頃から反日漬けにされれば、大人になればもう筋金入りである。先の大戦はどんどん過去になっていくのに、ますます日本が嫌いになっていく中国人と韓国人。日本人は残虐で性根悪なのだからどんな悪態をつこうが、相手を傷つけようが許されるという気運は、戦後生まれ育った人たちに多い。世論調査をみれば、他のアジア諸国は概ね日本に好感を持つ人が多いことがわかるが、この2国(北朝鮮を入れれば3国)は並外れてそうでない。これも子供のころから「どう教えられてきたか」によるものなのだろう。
週に一度は食べないと
という人間を育てた某ファーストフード店は
そんな中国に習ったのか、それとも教えたのか?
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