「つながり」を消費する

みんな持っているのに自分だけ持っていないことの不安。
それを解消するために、まわりと同じものを買っていた時代がかつてあった。 昨今のような個人消費の時代では、もうその必要はなくなったと誰かが言う。

はたしてそうかな? と思う。

個人消費の時代かどうかはともかく、「他人が持っているものを自分でも買う」 という行為は、所有欲よりも他人とつながりたいという行為なのではないか、とぼくには思える。

そのほかにもたとえば旅先で買う「おみやげ」、
メールや友人たちとの通話に使う「電話代」、
結婚式などお祝い事に渡す「プレゼント」、
行列のできる店で買う「ドーナッツ」

不況にもかかわらず、この手の消費は減るどころかむしろ増えている。 バレンタインチョコひとつとってみても、単価はますます上がっているのが実情だ。

ぼくは思うのだけど、人間関係が希薄になりがちなこんな時代だからこそ、他人とのつながりをより求めるんじゃないだろうか? 「相手に喜んでもらいたい」と思う心理には、「自分の存在を確認して欲しい」という承認欲求が見え隠れする。

生きていくためには自分の居場所が必要だ。
そして、できれば自分の存在を喜んでくれる人のそばにいたいと思う。 そばにいずとも、自分がいることを感じて欲しいと願う。

オタクがガンプラを買うのも、鉄ちゃんがNゲージを集めるのも、たぶん同じ趣味を持つ仲間とつながりたいからだ。 ほかに欲しいものを我慢してもケータイを手放せないのは、やはり仲間とつながっていたいからだ。 1時間以上も並んでドーナッツや塩キャラメルを買っていたのは、自分用だけではなかったはずだ。

消費のあたらしい定義、「つながり代」
つながりたい、から「つながり代」
不況にあっても、いや不況により不安にかられるからこそ、ぼくたちは消費を「人間関係を育む道具」としたいのかもしれない。

これからのヒット商品には何かしらの「つながり代」が関連してくるように思えます

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8 件のコメント

  • 以前は顔が見えるつながりしかなかったのに、
    どうして今はバーチャルなつながりに価値を求めるのだろう。
    こうして人様のブログを訪れ、自分の感想をコメントとして残すのもその一つだろうし。
    ケータイでネットするなんて、ほんの十五年前までは有り得なかった。
    IDSNが最先端だったのに、いまやADSLですら乗り遅れと言われる。
    なんなんだろう。バーチャルが進歩するにしたがって、どんどん人間関係が干からびていく感覚。
    人はリアルだけにはもう戻れない。
    この先にあるのが幸か不幸か、あたしには分からない。
    でも、そんなあたしでさえ、誰かに理解してほしくて、
    こうして日々ネットをさ迷っている。
    理不尽ですね(^^ゞ

  • 現在はわずかなバイト代をもらいながら、求職中の身なのですが(^^;

    収入が減り始めてしばらくはまだ「つながり代」が惜しくなかったのですが
    それも惜しむようになってから、友人との関係を考えるようになりました。
    自分の経済状況を素直に言える友人と以外、きちんと話すのが怖くなったし
    損得関係ない友人に対しても、無意識に常に劣等感を持っていたり。

    例えば一人でお酒を飲みに行くのも、お酒を味わうだけでなく
    そのお店との「つながり」にも目的を見いだしていたと思うのです。

    そういう「つながり」を持つ喜びを、仕事をみつけられてから再確認するのか
    それとももう遠ざかってごく僅かな今いる友人たちとだけ過ごしていくのか
    それは自分でも興味があるところです。

  • 今晩は!
    私は『日本人は贈り物をするのが好き!』なだけだと思っていました。お歳暮やら、お中元やらお土産やら、何かって言うと、物を買って人に上げる。アメリカに留学に行く時に、いつか出会う人に上げよう!って思って日本の物(センスとか風呂敷とか)を持ってくるのって日本人くらいじゃないですか?(ま、日本には自慢できるクラフトなどがたくさんあるからでもありますが)私の使っているブログでは人に(架空の)プレゼントを上げるようなシステムもあって、それを使う人が多いこと、多いこと。(私は買えないので使っていませんが)
    面白いのは、付き合いだから上げるって言うだけではなく、上げたいから上げるという気持ちがあることですね。美味しい物は一緒に『美味しいね!』って確認しあいたい。便利なものがあったら、人にも買ってあげて一緒に便利さにあやかりたい。ブログの中の架空のプレゼントは相手を励ましたり、つながりを強調する為に上げたり。人はやっぱり、繋がりがないと生きていけないってことなんですよね。

  • ユリコさん、一番ゲットおめでとさまです!
    直接会うのはリアルで、ネットはバーチャルというのもなんだか違和感を覚えるようになりました。ネットといえども切れば血が出る生身の人間とのコミュニケーションです。ぼくもほら、切れば血が出るし、悲しければ泣くし、おかしければ笑います。人の気配を好きなときに感じられるという意味では、ネットも悪くないですよね。
    ——————————
    ノラさん、初コメントありがとさまです!
    「お金がなくなる」と心細くなったり、自信がなくなったり、将来の不安に駆られたりするものです。でも、ノラさんは変わらずノラさんなのだと思います。「お金」は時期が来ればちゃんと自分のところに戻ってきます。どうか見失わず、友達と自分を大事にしてあげてくださいね。
    ——————————
    ぷうさん、そうですね。欧米人は旅に出るとそこから絵はがきを贈るくらいでお土産なんて買ってきませんよね。 ぼくも日本人の贈与の返報性には辟易するタイプなのですが、こうした「つながり代」には、「相手のしあわせを買う」という行為もちゃんと含まれていると気付き、それほどネガティブに考えなくなりました。
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    ユリコさん、わざわざ間違い報告ありがとうございました。ここのコメント欄、あとから修正できないのが不便ですよね。ごめんなさい。

  • お久しぶりのカキコです♪

    サイババには、一通も手紙出したり、渡したりしないけど、またまたサリー・ホーキンスにファンレター出しました。 一ヶ月で速攻の返事にビックリ!!! 人気者なのにマメな人です。 

    いままた期限付きの仕事してます。 毎日ご機嫌な自分と周りのマイナスな空気と落差が激しいですけど、気にならないです。 しかし、時間が早く過ぎて行きますね!

    身体と特に精神衛生には気を付けて毎日を過ごしてくださいませ♪

  • たまやんさん、おひさしぶりです!
    ファンレターのお返事、早く来てよかったですね。 また、いいことがあるから機嫌が良い、というよりは、機嫌がいい人のところにいいことが起こるんだと思います。 逆もまた然りですね。 悪いことがあるから機嫌が悪い、ではなく、機嫌が悪いから悪いことも起こる、と。 そういうものです。がんばってください。

  • なるほど〜!面白い視点ですね。さすがなおきんさん。

    ぽにょは狭く深くの人間関係タイプなので
    つまがり代には結構お金をかけます。
    でも全然おしくないんですよね〜
    自分用だと惜しいのにね(笑)

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    ABOUTこの記事をかいた人

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。