しっぽの先っぽ

ちびきちのしっぽの先は黒い。
他の部分は白っぽいグレーだったり、
やや暗めのグレーだったりするのだけど
しっぽの先が、そこだけ黒い。

はじめてちびきちと出会ったとき、
全身がまさにこのしっぽの色だった。
まるで脱ぎ捨てた小さな黒いセーターのようで
ビーズ玉のようなきらきら光る目がふたつ、そして
桜の花びらのような舌でぼくの耳を舐めたのだ。

ちびきちを3週間ほど育てたブリーダーさんは言う。
「この子はやがて、きれいなグレーに育ちますよ」
「ホントかなあ」と、そのときは思ったが、
たしかにそのとおりになった。

生まれたときの毛の色が、しっぽの先に残ってる・・
それはなにかしらぼくに「肺」のことを思わせた。
この世に生まれて初めて吸い込んだ空気のひとかけら
それがその人の最初の肺胞をふくらまし、一生
その中にとどまり続けるのだと。

そのことに科学的根拠はない、という。
なるほど、そうかもしれない。
だとしても、初めて身体の中にはいった空気が
いまも胸の奥のどこかに存在することを、やはり信じたい。
祝福の空気をタイムカプセルのように持ち歩くことで
つらいときも、乗り切れるような気がするのだ。

ちびきちの黒い先っぽ。

それは、初めて出会ったときのことを
ぼくに忘れさせないように
いつまでも・・・たぶん一生、
色あせることなく、残るのだと思う。

肺に残る、初めて吸った空気のように。
そのことをいつでも思い出せるように。


生後4ヶ月ごろのちびきち。まだ「トイプー」というよりは、「アライグマ」かなんかに見えてしまいます。自分の家に犬がいることに、なんだか不思議な感じがしたものです。

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10 件のコメント

  • おはようございます。やはりトイプーが話題となると心がルンルンしちゃいますね。私も一人暮らしを始め初めて飼うペットが今の愛犬です!なおきんさん同様に、愛犬を通して感じるものがあります。自分を知る良いチャンスを与えてくれてると思っています。愛犬との会話はもしかしたら、自分との会話なのかもしれないですね。

  • 肺の片隅に留まり続ける空気のかけら。
    …初めて聞きました。すごくいい話だなと。
    そのかけらは、自分の血や肉や魂の種のように感じました。
    生まれてきたというだけで、
    それは実はすごいことなんだと思うんです。
    そして、今生きているということはほんとに貴重。
    限られた短い短い人生の中で出会うもの全て、
    幸も不幸もすべて自分の宝物。人生は、どれも超オリジナル。
    どの人生も、この空気のかけらから始まったと思うと
    とても愛おしくなります。
    素敵な話をありがとう。

  • おはようございます。
    いい話ですね。朝からとても気分良くなりました。
    私の愛犬も「将来は綺麗なクリーム色ですよ」と言われ、そのとうりツヤツヤのクリーム色になりました。
    ただ「この子は大きくならないですよ」と言われたのに、なんだかデカくなりました(汗)…これは私の責任ですね(笑)
    毎日一緒にいて、子犬時代を今や忘れるくらいですが、ただ、昨日よりも今日!今日より明日!…毎日好き度が増して行く愛犬は凄いです!
    明日のちびきちも、今日よりもっと可愛いですよね!きっと…。

  • ちびくん、かわゆいビーム炸裂じゃないですか!!
    大きな病気もなく、元気に育って何より。
    うちの娘(ミニチュアダックス・茶の長毛)も、しっぽの根元に黒毛が残ってます。
    ブリーダーさんの「綺麗なレッドになるよ」の言葉通り、他は綺麗なレッドになりました。
    母犬が黒タンでしたので、そのDNAかと思われます。
    命が繋がってる感じがしていいな〜と思う親バカです。
    関係ないですが、職場で「家で茶髪のロン毛の短足が待ってるんです♪。」と娘の事を言ったら、彼氏と勘違いされかけた事があります。
    後で友達が大笑いしてました。

  • なおきんさん、はじめまして。
    最初のきっかけは何だったか、気付けば毎日お邪魔していました。
    なおきんさんがその時々に綴るテーマと、差し込まれるいつかの記憶がいつもさりげないのに説得力があって、日々の楽しみになっています。

    肺に刻まれた記憶のおかげで、今も忘れず空気を吸い込んでいられるんでしょうか(^^)
    そんな風に考えたら息を吸うのも楽しい。
    はじめの一歩って、なかなか感慨深いものですからね。
    海外を飛び回るなおきんさんとは対照的な専業主婦です。帰ってくるご主人さまを癒すちびきちくんみたいな存在になれてるといいんですけど、
    旦那曰く、出会った頃の君は何処へ?らしいです。
    私の黒いしっぽは今何色なんでしょう?謎です(笑)

  • 「祝福の空気をタイムカプセルのように持ち歩くことで、つらいときも、乗り切れるような気がするのだ。」

    感動的な表現で、思わず「ヨダレが出ました、心の中で」。ややこしい液体(汗、涙、鼻汁、シッコ、etc)に「総動員令」が出たかのような「お言葉」、ありがとうございます。

  • こんばんは!うちでも2匹飼ってます。飼う前は思ってもいませんでした、犬を飼うという事が毎日の生活をこんなにも豊かにしてくれるなんて。日々どんどんどんどん愛情が増していきます。自分が産んだわけではありませんが(当たり前だけど・・・笑)まるで本当に自分の子供のような気持ちです。今日も彼らに感謝です。ありがとう、どうか長生きしてね。そんな気持ちです。

  • >初めて身体の中にはいった空気がいまも胸の奥のどこかに存在することを、やはり信じたい。
    素敵なフレーズですね!もし人間もそういうことがあるとしたら赤ちゃんのときの小さな脳の記憶の片隅に空気の匂いや味覚がうっすらと残っているのかもしれませんね。何かどこかでふっと瞬間的にその記憶が蘇るのかもしれません。うちのワンコのお尻にも小さくて白い、なぜか四角の模様があります。お母さんのお腹にいたときにDNAでこのデザインに決まったと思いますが他の兄弟にはまったくないんですよ、おもしろいですね。この模様が何か不思議な気がして家族にすることに決めました。なおきんさんもちびきちくんと何かのご縁があったのでしょうね。

  • かわいいですね〜ちびきち〜
    ウチもプリンは大型犬なんで、最初家にいるのはなんか違和感があって、不思議な感じだったんですが、慣れてくるとそれがあたり前になって、ちょっと嫁さんともども実家に帰ってたりすると、ポッカリ穴があいたようになってしまいます。
    犬の癒しの力って大きいですよね、人間に出せない何かを持ってる気がしてしまうんですが、、、純粋さみたいなもんでしょうか、錯覚かもしれませんが。

  • ルナママさん、一番ゲットおめでとさまです。
    おたがい愛犬家ですね。そうそう、語りかける言葉は確かに自分自身に向けられるものなのかもしれません。できるだけやさしく、ときにはきびしく、よい時間を過ごしてくださいね。
    ————————
    oreoさん、生まれたことも奇跡なら、今も生き続けていられるのも奇跡なのかもしれませんね。そこを謙虚にとらえられないと、いつも口から出るのは愚痴ばかり、ってことになったり。毎日をていねいに過ごすことを心がけたいですね。
    ————————
    moonさん、なぜかデカくなっちゃったんですね、愛犬(笑)そうですか、やっぱりしっぽのどこかに「しるし」のようなものが残るんですね。>「家で茶髪のロン毛の短足が待ってるんです♪」<笑ってしまいました。どんな彼を想像したんでしょうね?
    ————————
    tomokoさん、初コメントいただきありがとさまです!
    そうですか、毎日アクセスしていただけるときき、うれしく思います。毎日更新していなくてごめんなさい。話題も縦幅広めなので、ちょっととまどわれるかもしれませんね。でもどうかよろしくおつきあいくださいませ。
    ————————
    昔の同僚さん、そうでしたか、ヨダレが出ましたか。ただ、お腹が空いてただけじゃないんですか(笑)それ以外の辺ンな液体はださなくてけっこうです(笑) でもまあ、お言葉うれしくちょうだいいたします。
    ————————
    サニーさん、愛情というのは実は溢れることも枯渇することもないと思っています。 ただ「質」が変わるんじゃないかと。注ぐべく対象がまわりにいることで、この質が上がっていきます。愛情の質が上がれば、その人を構成する質もまた上がるのだと思います。どうかかわいがってあげてくださいね。
    ————————
    nicoさん、ちょっぴりごぶさたしてました。ブログ更新もとまっているのでどうしていらっしゃるかと。愛犬のおしりにある「白い四角の模様」、ちょっとしたミラクルのようですね。それが縁になってこうして一緒に過ごしているわけですから。またかわいい写真を見せてくださいね。
    ————————
    コーギー太郎さん、もう家族の一員として家の中に溶け込んじゃうと、いないときの寂しさは相当なものがありますね。それからおっしゃるとおり、犬のひたむきな愛情には浄化されるような気すらします。人間ってやっぱり希薄だよなあ、なんてことを思ったり、ね。

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    なおきん

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。