「なおきんさんって人間が好きなんですね」
と後輩からのコトバ。
どういう意味だろう?と思っていたら
ようするに「お人好し」ということらしい。
まあそのとおりなので、そうだね、と笑っておいた。
ぼくにはいささか妄想癖がある。
良くいえば、想像力がたくましい。
ついつい、他人のいろんなコトに興味がわくのだ。
その人の家族構成、会社での悩み、好きな食べ物、
はたまた、いまどんな人が好きなんだろうか? などなど。
たぶん他人に感情移入しやすい性分なのかもしれない。
「とりあえず」というビールがないように
「ただの人」という人はいない。
「ただの人」だと思っていたその人に
意外な物語があることを知れば、感情移入だってしやすい。
それが好意につながることだってあるのだ。
物語は風のようである。
風は木々を揺らし、水面にさざ波をつくる。
女の子の髪を揺らし、スカートの裾を揺らす。
心も揺らされるかもしれない。
揺らされるものがあって初めて、ぼくたちは風に気づく。
ぼくは、他人の物語にいちいち感動するタチである。
みっともないからあまり表には出さないけれど、
ひそかに「じわ〜」とかする。
年甲斐もなく、馬鹿みたいである。
でも、感動はちゃんと好意につながる。
お人好しは、だからいちいち感動する。
そして、いつも風に揺れていたいと思うのだ。
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