またiPhoneをなくした。
空港で拾ったタクシー車内に置き忘れたのだ。ホテルに到着したのは夜中の2時をまわり、長旅のせいか疲れていたのだろう。持っていないことに気づいたのはチェックインが終わり、案内された部屋で荷をほどいていたときのこと。いそいでホテルのフロントに戻り、そのことを伝える。フロントの男性は親切に応対してくれた。問題はぼくがそのタクシー会社を知らないうえ、タクシー番号も運転手名も知らないこと。ぼったくり料金だったからか領収書もなかった。
それでもフロントのお兄さんは空港にカウンターをもつタクシー会社何社かをみつけては熱心に電話をしてくれ、車内に日本人が置き忘れたiPhoneがなかったかどうか確認してくれた。とはいえここはインドネシア、なかなか日本のようにはいかない。結局、iPhoneは見つからずじまいだった。
電話やネットなんかいいから、さっさと休暇を楽しめということなのだろう。とぼくは解釈する。11月に東京でなくしたときは「iPhoneを見つける機能」で落とした場所が確認できたし、遺失物係の人はきちんと仕事してくれた。だが環境が違えば、便利な機能も役に立たないこともある。
村のワルンで食事をし、寺院をまわり、山や田んぼの中をどこまでもあるき、疲れたら町の小さなSPAでマッサージをしてもらった。長い勤労生活の休憩時間。スマホは必要なかった。
そのようにして数日過ごし、帰国する日の朝、ホテルの人の案内で警察に行き、盗難届を出した。見つかることについてはあきらめている。データ漏洩対策もした。すでに電話は止めてあり、仮にロックを解除できても記憶データはオンラインになった瞬間、自動的に削除されるようセットしてある。なくした最新のiPhoneはどこかで誰かの役に立つはずだ。なくしたぼくについても運がよければ携行品損害保険が適用されるかもしれない。警察に同行してくれたホテルの担当者はまだ20代前半だがすでに子どもが5人いて、自分は働きながら毎日大学で語学を学んでいるという。警察からの質問と応答をそれぞれ通訳してもらいながら、いろんなはなしをした。がんばっている人の話は、気持ちがいい。そのいっぽうで、書類を作成してくれた警察官は当たり前のように賄賂を要求してきた。
被害額約900USドル。授業料である。
iPhone 6プラスはポケットに入れるには大きすぎた。
▲ バリ島はただいま雨季(11月~3月)。夕方はたいていスコールが降る。それでも最終日だけは快晴で、やればできるんだときれいな夕日を見せてくれた。
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