不思議な体験をした。
なんでもないごくふつうの平日。
これといって特別なことはない。
普段どおり6時に家を出て会社に向かう。
仕事をし、昼食をとる。
客先へと外出し、会社にもどる。
白いシャツに紺のパンツ。ノーネクタイ。
仕事が終わると、いくつか店をひやかし
21時前には帰宅した。
ふつうじゃなかったのは
その日は知らない人から
4回も声をかけられたこと。
「皇居はどちらでしょう?」
「このくらいのバッグをみませんでしたか?」
「遠藤さん?ひさしぶりじゃないですか!」
「これ、あなたのじゃないですか?」
声をかけられたといっても、出会いに
つながるようなものではもちろんない。
ただ、道を聞かれたり、人間違いされたり
しただけのことである。
ただ、ぜんぶ同じ日にあったことなど
生まれてこのかた一度もなかった。
背中になにか貼られてるんじゃないかと
思ったほどである。
不思議な体験は、
最寄りの駅のトイレに入った時のこと。
入り口そばの洗面台の前の鏡。
通り過ぎたとき、少し違和感がある。
それがなにかぴんとこないまま用を足し
手を洗うためあらためて洗面台の前に立つ。
あれ?と、声が出そうになる。
自分の顔の位置が数センチ高い。
反射的に足元を見る。
足元になんの異常もない。
ただ、鏡に写る自分の身長が高い。
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