大人の勉強とは「できなかったことができるようになる」ため

 

新年あけましておめでとうございます。

年明けのタイミングなので、読書について書こうと思う。
あなたは1年でどのくらい本を読むのだろう? インターネットのおかげで1日で得られる情報は無限大に増えた。ネットメディアが氾濫しすぎて、情報を得るというより、情報を切り捨てる作業のほうが増えた。そのため、本を読む暇なんてますますなくなった、という人も多いのではないだろうか。

 

 

フリーになってから自分のための時間が増えた。
意外だったのはネットを見る時間がそれまでより減り、逆に本を読む量が増えたということ。旅先で読むことも多い。1日3冊だって読む。1周間旅に出れば21冊必要になる計算である。それは無理だからKindleに落としてから読む。紙の本ではスーツケースに詰めきれないから、同じ本をKindle用に買うこともある。同じ本なのに、電子で読むと内容が新鮮なのもうれしい。

 

 

子供にとって勉強は成長に欠かせないが、大人にとっての勉強は「できなかったことができるようになる」ことが前提だ。そうでなければ学びは、豊かさへとつながらない。本を読むときは「この本によって何ができるようになるか」を決めてから読む。
〜について教養を得るためか? それはなんの役に立てようとするのか? 強くなるためか? 3つの新しい考え方をえるためか・・・といった具合だ。

 

チェンマイに2015年にできたばかりのカフェ。ふたりの若い男の子が経営する爽やかでセンスのいいお店

 

読破することが目的でなくていい。
むしろリサーチのつもりでいいくらいだ。ぼくの場合も、最初から最後まできっちり完読するケースのほうが少ない。目的の手段にならないとわかった時点で閉じるし、すぐまた次の本に取りかかるからだ。もったいない気がしないでもないけど、実にならない本を読む時間はそれよりさらにもったいない。あらゆる勉強ツールのうち、本ほど安上がりなものもないのだ。そもそも、できなかったことができるようになるために本を開いたのだ。目的に沿えなかったものは、無用の長物である。場所も奪うし時間も奪う。もうしわけないけど。だから間違った出会いをしないよう、買う前に目次はしっかり目を通す。場合によって、1チャプターのためだけに買うこともある。

本で勉強したことはすぐに実践する。大事なのはそこだ。
関連する本を読むのもそうだし、その場所へ足を運ぶ。知り得たことを試してみる。忘れてはいけない箇所は繰り返し読む。頭に詰め込むだけでは無用の長物でしかない。とここまでは、文芸書以外の本のことである。

 

ぼくは文芸書も読む。5冊に1冊のわりあいで。
ただし勉強というよりは娯楽として。だから映画を観るように読む。表現やコトバの芳醇さを学ぶために読む。さまざまなエンターテイメントがわりとカンタンに楽しめる時代である。その中でも本はやっぱり王道だと思う。必要以上に視覚や聴覚にジャマされるといささか窮屈さを覚えるものだ。本だとそれがない。文字というシンプルさのおかげがあって、ぼくたちは自由にエンターテイメントが楽しめるのだと思う。

 

 

概して日本人は読書家である。
どんな僻地にも一定の割合で本屋があり、至るところで本を読んでいる人を見かける・・・と思ったらここ十年、小さな書店はどんどんなくなり、いつしか本よりスマホを手にする人のほうが圧倒的に多くなった。そういう時代なのだ。情報は本でなくても得られる。紙はかさばるし(安いとはいえ)有料である。それはどの国を歩いていても感じるところだ。

ゆえに電車などで本に目を落としている人をみかけると、ちょっとうれしくなる。もちろんスマホで本を読むことはぼくもやってるが、直接LED画面に照らされるより白い紙に反射されるオーガニックな光のほうが疲れにくい。ストレスも和らぐのではないか。肌にも良さそうな気がする。だから美しい人は本を読むのかもしれない。

 

ここさいきん読んだなかで、特におすすめしたい本。それぞれ知的好奇心にとてもよろこばれることでしょう

 

今年もたくさん本を読めると思うとわくわくする。
そのためだけに遠い場所へ旅をしたくなるほどに。

あなたにとって今年も良い年でありますよう。

そんなぼくは
まだ心をチェンマイに置いたままである。

 

 

11 件のコメント

  • あけましておめでとうございます。
    なおきんさんは更に飛翔する年になりそうですね。ほんとに飛行機で飛んでる時間が長そうです。私は昨年来の続きが待ったなしの年です。クリスマスも新年も余裕なかったです(笑)
    ところで、なおきんさんは難しい本を読むのですね。写真の中で、興味をそそられるのって、「すべての旅人に捧ぐ」という副題の本しかないです(゚∀゚)

    • ぱりぱりさん、こんにちは!
      お忙しそうですね。くれぐれも体調には気をつけてください。2016年は、長く機内で過ごしました。2017年はもっと長く過ごすことになるでしょう。なので、無理をせずたまにはビジネスクラスを使おうかなと思うところです。本のタイトルは「旅情熱帯夜」といいます。大好きな写真家である竹沢うるまさんの著書です。おすすめです。本年もよろしくお願いします!

  • なおきんさん、あけましておめでとうございます。
    今年もなおきんさんにとって素晴らしい年になりますように。
    日本に里帰りをするとやはり本は買ってしまいます。最近は子供たちの本が多くなってしまいましたが。文庫本はコンパクトなので専ら文庫本ばかりを買っています。いつか文庫本がでたらなおきんさんのおすすめの本を買ってみたいと思います。
    日本から海外への送料が安くなればいいのになぁ。

    • ひつじっちさん、こんにちは!
      ご無沙汰しております。お元気ですか?ぼくも海外在住の頃は、一時帰国時に本屋に立ち寄るのがとても楽しみでした。文庫本はサイズといい値段といい、最高ですね。でも最近は目が弱くなってあまり買わなくなりました。電子版だと拡大できるので、それに頼ってしまいます。本年度もよろしくお願いします!

  • あけましておめでとうございます、なおきんさん、
    いつも通勤電車の中や、夜、ふとしたタイミングで、なおきんさんの記事を読ませていただいています。
    気がつくと、コメントも書かずに、記事だけ拝読して、何かを思って、それだけ通り過ぎる、まさに通行人状態が続いていました。コメントを頻繁に書かせていただいていたのは、もう何年も前になります。あのときは、一人で仕事をしていました。今は、再び会社員に戻って、1年半が経ちました。単身赴任です。今年、いよいよ49歳になります。冒険が続いていることに驚いたり、何かに感謝したり、なおきんさんの「49歳の記事」を読んでみたり。なおきんさんもくれぐれもご自愛下さいね。そして少し先の冒険Pathを歩かれているなおきんさんの記事を、今年も楽しみにしていますー。

    • たいさん、こんにちは!
      通勤時間をおじゃましました。たいさんには本当に長く愛読していただいていて、うれしく思います。まだお会いしていませんが、旧友のようです。気が向いた時にふと、コメントを書き残してくださいね。本年もよろしくお願いします!

  • あけましておめでとうございます。この空港の待合スペースの写真いいですね。また海外に行きたくなりました。なおきんさんのブログを読むと自分の毎日の生活に変化がある気がします。還暦は過ぎましたがまだまだやるよ。でも、ま、いいか。の気持ちで無理をせずいろいろなことにチャレンジしようと思います。今年もなおきんさんの活躍期待してます。

    • lexkenさん、こんにちは!
      いつも嬉しい感想をいただきありがとうございます。還暦過ぎなんてまだまだこれからです!チャレンジをやめた時、老化は始まります。今年も活躍してくださいね。本年もよろしくお願いします!

  • 明けましておめでとうございます。
    久々に、ちびきち君イラストに出会えて、何だかルン(’-’*)♪な気分のオバサンです。
    ちょうど、今日、お目当ての本が発売日だったので有名書店さんに寄ったら、本がない無い!店内検索でも無い!ボケたか私!?
    レジでお店の方に調べてもらったら、「確かに本日発売ですが、こちらに届くのが翌日になる事もありますので…」と、申し訳なさそうに言われました。
    何だか、便利な事に慣れすぎてるんですね。流通とか。
    その帰りにイラ写におじゃましたら、読書記事。
    おぉ、本つながり。と勝手に楽しんだのでした。
    こんな奴ですが、今年もよろしくお願い致します。m(._.)m

    • faithiaさん、こんにちは!
      そういえば本屋さんで「お取り寄せ」というのをしばらくやっていませんね。探すのはアマゾン、偶然の出会いは本屋さん。というふうに勝手に使い分けてしまうようになりました。本年度もよろしくお願いしますね!

  • こんにちはなおきんさん
    大変ご無沙汰しております。
    その間も、いつもイラ写は欠かさずみていました。
    昨年末、二人めの孫が生まれ、にぎやかに暮らしております。
    今回の記事も、なるほどです。
    私は極度に右脳的傾向が強いので
    衝動的で、感覚的に行動します。
    見たものにすぐ気持ちを持って行かれるので
    片づけも苦手です。
    掃除機を取りに行ったら、そこにある雑誌が気になり、そてを片づけ始めるとか・・
    エンドレスなのです。
    文章も、会話もあっちこっちに気が散るので、わかりにくいと注意されてばかりです・・
    もう、注意ばかりしてくる旦那とは、前後の会話でわかってよ・・て思ってしまうくらい
    それもこれも右脳的傾向の為とわかってからは、楽になりました。
    こんな私にも、左脳はありますので、意志をもって左脳を鍛えなくてはならないと、やっと最近気づいたわけです。視覚からの情報は脳と疲れさせる。のですね。
    なおきんさん、また旅日記楽しみにしています。

  • lexken へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。