ウェブはバカと暇人のものか?


△ 買い物はほとんどネット通販で済ますようになった

検索窓に向かい、まるで水道の蛇口をひねるようにキーワードを打ち込む。 なんの苦労もない。 水道代ほどのお金もかからない。

インターネット白書によれば、パソコンに向かう人は1日なにかしら3〜4回は検索するのだという。 それで導かれた情報がなんであれ、「知りたい」と思ったことが指先と数秒で得られる世界にぼくたちは住んでいる。
しかもそれらは衝動的におこなわれる。 手軽なぶんよけいに。

ネット通販は便利すぎる。
24時間いつでも「衝動買い」できるのに、外出する必要もない。 電車賃もガソリン代もいらない。 人ごみに足を踏まれることもない。女性ならば化粧をしなくてすむ。

気付けばぼくも、ものを買う時はほとんどはネットですますようになった。 外でお金を使うのは飲食以外は書籍くらいで、ほとんどしなくなってしまっている。

なにか欲しいものがあれば、以前なら売り手と接触する必要があった。 「これを探してるんですが・・」、「これとそれ、どちらがオススメですか?」 などなど・・。 余計なものまで買わされないよう注意する必要があったし、買わずに店を出ることに心理的負担がすこしだけあった。

でも今は違う。 ネットでたっぷり商品情報を得ることができる。
もはや、店員や営業マンを必要としない。 場合によっては自分たちのほうが、彼らよりも欲しい商品に詳かったりする。 どこで買えばもっと安いか、そんなことだって知っている。

売り手からすれば厳しい時代だと思う。
もはや店員の接客技術や、営業マンのトークは十分条件ではなくなった。 競争のただ中に置かれ、よほどのメリットを顧客に指し示せないと「その他大勢」の中に埋もれるままである。

売り場をリアルからネットに移せばそれでいい、というわけでもない。 さらに大勢に埋もれ、「ないも同然」のひとつになるだけだ。

埋もれないためには、どうすればいいか?
ことはカンタンではない。 ネットで共有化されやすいから、差別化できる手段も限られている。
成功のキーは、「ネーミング」と「ストーリー」にあると思う。 買ってもらいたい人たちに、「ねえ、○○○って知ってる?」なんて会話されるようになれば理想的だ。 ネーミングが重要なのは、あとで検索するのに覚えてもらいやすいからだ。

企業には乱暴にわけて2種類あるという。
ひとつは利益を出すことが目的で、社会貢献は余力があればするという企業。 もうひとつは社会的問題を解決することが目的で、利益はその条件とする企業。

「ねえ、○○○って知ってる?」とうわさされるとき、どちらのほうが有利だろうか?
ぼくはやっぱり後者のほうだと思う。 「ストーリー(物語性)」が必要なのはそのためだ。
いまどきの消費者は「より豊かな生活のために買う」のでも、「自分をよく見せるために買う」のでもなく、「本当の自分らしくなるために買う」傾向にある。【参考:全脳思考(神田昌典著)】
ぼく自身この1年ふりかえってみても、どちらかといえば「自分らしく・・」のためにお金を使うようになった(齢のせいかもしんないけど)。
つまり、「自己投影型消費」型である。 「利益主義」な会社の製品やサービスにお金を使いたくないのは、「自分を汚したくない」からでもある。

ウェブはバカと暇人のもの(中川純一郎 著)』ともいう。
けれどもぼくは、ウェブがあるからこそ、真に社会に必要とされる企業が生き残りやすくなったと思う。 なにもバカと暇人ばかりがパソコンの前に座っているわけではない。 「自分のあるべき姿」を考えている人たちだって、ちゃんといる。

あなたの会社は、真に社会に必要とされていますか?
そこで働くことに、誇りを感じていますか?

なんだかビジネスモードですみません。ランキングカテゴリーがいちおう「サラリーマン」なので、あわせてみました。でもネット通販って計画的に使わないとあとでクレジットカード会社の請求にびっくりすることに!
いつも応援クリックをありがとうございます人気ブログランキングへ

6 件のコメント

  • なおきんさんのおっしゃる通りだと思います。

    私もネット通販ばかりです。
    本当に便利。

    昔はショップのディスプレーなどに
    騙されたりしていましたが、今は
    買いたいものの目的を持ってそれを
    検索するので無駄使いがなくなりました。

    不満がある部分は無いとは言えませんが、
    (例えば、写真より素材が悪かったとか)
    それはショップに対してしっかりクレームを
    立てれば解決できるので根気さえあれば問題
    無いです。

    口コミ、私は逆に利用しませんね。
    誰かのいいものが私にとって良いものかは
    違うと思うので。

    ね、すごく嫌な客でしょ?(笑)

    でも、なおきんさんの言う様に、自分の
    価値観に合うものには意外と投資を惜しまない
    かも。失敗もするのですけどね、たまに。
    でも、大体はハズレが無いし、長く使っているの
    で結局元はとれている感じです。

    関係ないことかもしれませんが、
    なおきんさんの漫画&つぶやきって
    昔の風刺漫画のように社会を映している部分
    が有りますよね。日本の歴史などにもちゃんと
    触れてるし。世界中の人が見たら、日本に対する
    理解ももっと広がるかもしれませんね。
    って、すごいプレッシャーをかけてすみません・・・。

  • 2種類の企業、私も後者を支持します。ただ、多くの企業が後者の形態をオモテヅラとして強調しているので、どの企業がメッキをかぶった企業なのか、判断に少し時間がかかりそうです。
    酒井法子さんについて、どうしてあんなに時間を割いて報道しているのか理解できません。重要なニュースはもっとあるのに報道されない。アホなマスコミに怒りが湧いてきます…

  • 買い物する手間は確かに省けました。何よりネットには、消費者の生のレビューが質的量的に充実していて、以前のようにお店に入ってから初めて商品の種類を知るということがなくなりました。一つのものでも、世の中にはこんなに沢山の種類があったのかって感動すら覚えました。先日も、長男のお誕生日プレゼントにヘッドフォンをと思って、PCの前に座り
    約1時間。驚くほど専門的な知識が溢れかえっていただけでなく、目的にあった商品に的が絞れてとても喜んでます。あとは同商品の価格を比較して注文するだけ。どこにも出かけていく必要なしに、本国、海外サイトでお目当ての買い物ができるなんて便利すぎるくらいです。こうなると、商品知識も種類もほぼ無制限に得られることになりますもんね。消費者にとっては労力と無駄金が不要、提供する側にとってはミニマムの投資で利益が作られていいことばかりなような気がします。
    だから、ですが、今後もし、(単純に)メーカーとショップサイトとIT&流通企業だけで消費社会が成り立つ事になったとしても、人間主体の実質を忘れないでいることが重要になるんだろうなと思います。消費の形態は変わってもマモニズムにおかされたままの人間が操る消費社会では結果は何も変わりませんもんね。
    「あなたの会社は、真に社会に必要とされていますか?」というなおきんさんの問いは、言い換えると、真に社会に必要とされる会社になっていきましょうよ、っていう、滅び行く無数の会社群に対する呼びかけに思えてきます。

    ところで、野本かりんさんをサーチしてみました。すごく可愛いですね。こういうイメージが好きなら(声は別にして)なおきんさん、Clementine、Jane Birkin(←この人、初代ヘタウマ代表選手ですもんね。笑)とか好きかな、とか思いました。野本さんの全体的なスタイルから連想して。私は、この世代(野本さんでなく、その前の2人ですが。笑)のフレンチポップスにはまっていて、特にClementineの本来の(?)ジャズ調(ボサノバ風になる前)の曲にぞっこんです。Continent Bleu毎日聴いてます。なおきんさんの好きなカンジと、もしかして共通する?とか思い、ちょっと嬉しくなったので書き込みしておきますね。

  • パソコンは物書きとダウンロードと加工と保存が主でしょうか。。。
    企業の思惑とは裏腹に買い物は至極慎重になりました(笑)。 そのうちパソコン壊れたり、もっと貧乏になればすべて終わりですが、時間に追われなくなってお金も節約できて良いかも知れませんね。

  • 私はあまりネットで買い物をしませんが、
    日本の誰かに贈り物をするときは、楽天が海外のカードも使えるようになって便利です。
    Amazonもたまに利用しています。
    私自身 ネット販売をちょこっとしていますが、検索したときに上位に来ないのか、あまりオーダー来ません。
    何が売れるかを考えてやり直しが必要ですね。
    サービスはすごく安価なので助かっています。
    ブログがある程度のヒット数なのでブログを利用するのがいいんだと思いますが、そこはちょっとポリシーに反するのでなかなかできません。

  • まいまいさん、一番ゲットおめでとさまです!
    ネット通販を便利に使われているようですね。 たしかに「ネコまっしぐら」的に欲しいものが一直線に買え、余計なものを買わなくてすむというのはありがたいですね。口コミをあえて参考にしない姿勢もりっぱですね。 さて風刺画はやってみたいですねー、でもイラストに関してはまだまだ表現力や構成力が足りないと痛感中。 精進します。
    ——————————-
    kenさん、「どのチャンネルも同じ話題を報道している」という現象は、日本以外で見たことがありません。ずいぶん視聴者もなめられたもんですよね。さて、2種類の企業。不況時には「今はきれいごとを言っている場合じゃない」などとなりふり構わない企業もちらほら。ある意味不況はメッキ企業をあぶりだすいい要素かもしんないですね。
    ——————————-
    ぱりぱりさん、ヘッドフォンの話、とてもいい事例ですね。そして世界がフラットになればなるほど、「満足」するだけではだめで「感激」させるような商品やサービスが必要なのだと思いました。社会に必要とされるのは、顧客を感激させることのできる会社もそのひとつなのだと思います。さて野本かりんやClementineがお気に入りとすれば、ぼくと音楽志向性が似ているかもしれませんね。これからもよろしくです!
    ——————————-
    たまやんさん、何に幸福感を覚えるかは人それぞれ。お金、時間、愛、家族、健康、自分・・・。どれかひとつでも十分な幸福感を得る人もいれば、どれかひとつでも足りないと幸福感が得られない人もいます。 たまやんさんの幸福はどんな時に感じますか?
    ——————————-
    Junpeiさん、いま「働かないで稼ぐ方法」などという本が乱発され、「ブログ + アフィリエイト」がその手段だとはやす風潮がありますね。 ネット販売は買い手の利便性を高めたと同時に「ショップオーナー」としても敷居も下げてくれました。参入障壁が低くなったということは、それだけ競合も多い。SEO施策をいくら駆使してもキリがないほど。でも、「海外」「主婦」「得意分野」の要素を強みにするなどして、がんばってくださいね。

  • naokin_tokyo へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    なおきんプロフィール:最初の職場はドイツ。社会人歴の半分を国外で過ごし、日本でサラリーマンを経験。今はフリーの立場でさまざまなビジネスにトライ中。ドイツの永久ビザを持ち、合間を見てはひとり旅にふらっとでるスナフキン的性格を持つ。1995年に初めてホームページを立ち上げ、ブログ歴は10年。時間と場所にとらわれないライフスタイルを めざす。