検索窓に向かい、まるで水道の蛇口をひねるようにキーワードを打ち込む。 なんの苦労もない。 水道代ほどのお金もかからない。
インターネット白書によれば、パソコンに向かう人は1日なにかしら3〜4回は検索するのだという。 それで導かれた情報がなんであれ、「知りたい」と思ったことが指先と数秒で得られる世界にぼくたちは住んでいる。
しかもそれらは衝動的におこなわれる。 手軽なぶんよけいに。
ネット通販は便利すぎる。
24時間いつでも「衝動買い」できるのに、外出する必要もない。 電車賃もガソリン代もいらない。 人ごみに足を踏まれることもない。女性ならば化粧をしなくてすむ。
気付けばぼくも、ものを買う時はほとんどはネットですますようになった。 外でお金を使うのは飲食以外は書籍くらいで、ほとんどしなくなってしまっている。
なにか欲しいものがあれば、以前なら売り手と接触する必要があった。 「これを探してるんですが・・」、「これとそれ、どちらがオススメですか?」 などなど・・。 余計なものまで買わされないよう注意する必要があったし、買わずに店を出ることに心理的負担がすこしだけあった。
でも今は違う。 ネットでたっぷり商品情報を得ることができる。
もはや、店員や営業マンを必要としない。 場合によっては自分たちのほうが、彼らよりも欲しい商品に詳かったりする。 どこで買えばもっと安いか、そんなことだって知っている。
売り手からすれば厳しい時代だと思う。
もはや店員の接客技術や、営業マンのトークは十分条件ではなくなった。 競争のただ中に置かれ、よほどのメリットを顧客に指し示せないと「その他大勢」の中に埋もれるままである。
売り場をリアルからネットに移せばそれでいい、というわけでもない。 さらに大勢に埋もれ、「ないも同然」のひとつになるだけだ。
埋もれないためには、どうすればいいか?
ことはカンタンではない。 ネットで共有化されやすいから、差別化できる手段も限られている。
成功のキーは、「ネーミング」と「ストーリー」にあると思う。 買ってもらいたい人たちに、「ねえ、○○○って知ってる?」なんて会話されるようになれば理想的だ。 ネーミングが重要なのは、あとで検索するのに覚えてもらいやすいからだ。
企業には乱暴にわけて2種類あるという。
ひとつは利益を出すことが目的で、社会貢献は余力があればするという企業。 もうひとつは社会的問題を解決することが目的で、利益はその条件とする企業。
「ねえ、○○○って知ってる?」とうわさされるとき、どちらのほうが有利だろうか?
ぼくはやっぱり後者のほうだと思う。 「ストーリー(物語性)」が必要なのはそのためだ。
いまどきの消費者は「より豊かな生活のために買う」のでも、「自分をよく見せるために買う」のでもなく、「本当の自分らしくなるために買う」傾向にある。【参考:全脳思考(神田昌典著)】
ぼく自身この1年ふりかえってみても、どちらかといえば「自分らしく・・」のためにお金を使うようになった(齢のせいかもしんないけど)。
つまり、「自己投影型消費」型である。 「利益主義」な会社の製品やサービスにお金を使いたくないのは、「自分を汚したくない」からでもある。
『ウェブはバカと暇人のもの(中川純一郎 著)』ともいう。
けれどもぼくは、ウェブがあるからこそ、真に社会に必要とされる企業が生き残りやすくなったと思う。 なにもバカと暇人ばかりがパソコンの前に座っているわけではない。 「自分のあるべき姿」を考えている人たちだって、ちゃんといる。
あなたの会社は、真に社会に必要とされていますか?
そこで働くことに、誇りを感じていますか?
なんだかビジネスモードですみません。ランキングカテゴリーがいちおう「サラリーマン」なので、あわせてみました。でもネット通販って計画的に使わないとあとでクレジットカード会社の請求にびっくりすることに!
いつも応援クリックをありがとうございます
最近のコメント