街を歩いていて「ステキだな」と思う女性は、ワンピースを着ていることが多い。ということに、ある日ふと気づいた。だが、時代なのだろう。ワンピースを着ている人はそんなにいない。たぶん実用的ではないだろうから。
背中のジッパー、上げてくれる?
映画かドラマのシーンでそんなセリフがあり、エロいなあとドキドキした記憶が遠くにある。うなじ、腰のくびれ。そのようなシルエットが窓辺に影をつくっている。自分にもいつかそんなシーンに出会えるんだろうか。それはどんな行為の後なんだろうかと。きっと相手は大人の女性で、ぼくの知らない世界を知っている。それは、ややこしい人間関係だったり、不条理だったり、悲しみであったりするのだろう。
いま「ワンピース」と検索しても、ほとんどが漫画のそれだ。世間が求めているものとのギャップを感じる。淡い光のなかの、色香。11月も半ばにさしかかれば、ワンピースのうえに羽織るのはカーディガンだけではなくなる。短めのジャケット、あるいは・・。
夕暮れの商店街を犬を連れて歩いているとき、花屋の店先にポインセチアをみつけ、ふた鉢、買った。かつて働いていたオフィスでは、この時期になるとデスクの上にポインセチアが飾られていたことを思い出す。来月はもうクリスマス。胸おどり想いふくらむこともないけれど、赤と緑の組み合わせはどこか温かい。
ワンピースが映えるのは夏よりも晩秋。淡い感じのニットのワンピースに白いショールとブーツ。街がキラキラしはじめ、風の中に甘いバニラの香りがまじる季節に、そんな人とすれ違うことができたらステキだと思う。
思うだけだけど。
いつのまにか通りの色が変わってきたね
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